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長崎が誇る世界遺産登録地、グラバー園を優雅に探訪
▼グラバー園、その地
昭和49年の開園からグラバー園は長崎を代表する観光地、居留地の華やかな暮らしと明治時代の日本の近代の象徴として、日本だけでなく海外にもその名を広く知れ渡らせていました。
元の位置に建つ旧グラバー住居、旧リンガー住居、旧オルト住居は重要文化財であり、日本の初期洋風建築と欧米人居住者の生活を伝えるとても大切な遺産です。グラバー園へ移築された建造物や工芸品も、同じように重要な役割を果たしています。旧グラバー住居は明治日本の産業革命遺産と題する世界遺産暫定リストにも登録されています。
グラバー園は発展をつづけ、長崎居留地の歴史とその居住者たちの業績の史実を明らかにしつつ、グラバー園固有の問題である移築された建物と元の位置に建つ建物が一緒に展示されていることによる混乱や誤解を訂正することも今後の課題と言われています。
▼グラバー園内を彩る旧宅やオブジェにまつわるエピソード
グラバー園内に建つ旧ウォーカー邸。洋館であるものの屋根に日本瓦を用いているため和風になっているこの家は、日本海運業界に大きな功績を残した英国人、ロバート・ネール・ウォーカーの次男であるロバート・ウォーカー・ジュニアの旧宅です。ロバートはバンザイサイダーという日本で初めて大量生産を開始した飲料水を造り、清涼飲料水の会社を長崎に設立しました。
ロバートが作りだしたバンザイサイダーは園内のガーデンカフェで飲むこともできます。
リンガー住宅、オルト住宅など洋館も魅力的ですが、グラバー園には他の魅力も多々あります。長崎が舞台の名作オペラである蝶々夫人を世界各地で歌い続けた世界的プリマドンナである三浦環の銅像や、鎖国時代唯一の開港地であった長崎にポルトガル船が来航し、そこから始まった西洋料理。それを記念した西洋料理発祥の碑などもお洒落に飾られています。
▼グラバー園に隠された不思議
グラバー園には様々な謎や不思議が隠されています。
グラバー園ハートストーンは、触れると恋が叶ったり2つ見つけると良いことがあったりと、とても素敵な伝説があります。1つはグラバー住居の庭の方位盤の下にありますが、もう1つがどこにあるかは秘密です。
薩英戦争の終結の仲立ちや軍艦の建造に尽くしたグラバーへと薩摩藩主がプレゼントした樹齢300年の国内最大級のソテツ、ほとんどの人が姿すら見ることができない鏡、幕末の志士たちが出入りし密談を重ねてたかもしれない天井の隠し部屋、キリンビールラベルのモデルになっている狛犬など、優雅なグラバー園を細々と歩くだけでなく、発見しつつ楽しみながら歩くことができるのです。
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