『果実王国』福島の品種豊富な桃を堪能しよう

『果実王国』福島の品種豊富な桃を堪能しよう

フルーツのふるさとで王道を貫き続ける桃

福島県の中部「中通り」地方は『フルーツのふるさと』と呼ばれるほど多種多様な果物の栽培に秀でており、それぞれの果物の収穫量においても全国で指折りの実績を上げています。中でも福島市の桃は有名でしょう。桃の収穫量は全国ランキングでいえば山梨県が一位で、福島県はその下の二位につけています。桃はその収穫量上位三県で全国の桃の七割以上をまかなっていますから、私たちが普段口にする桃の多くも福島市で収穫されたものである可能性が高いのです。福島の桃といえばその品種の豊富さにも目を見張るところがあります。桃にこれほど多くの品種があったのかと驚かされるのではないでしょうか。

『あかつき』は今ではすっかり福島の桃の主力を担う存在です。いわゆる桃の高級ブランドの位置づけになりますが、多少値が張ることを考慮しても桃の美点を凝縮したような王道のおいしさは全国で多くの人々に愛されています。福島市に古くから伝わっている伝統祭事「あかつきまつり」にちなんで命名されたこの桃は実が大きく、また肉質がきめ細かく口当たりがやわかい、そして何より極めて甘みが強いことが特徴です。果実栽培においては見栄えを良くするために全国で様々な工夫が凝らされていますが、福島の桃栽培は太陽の光をできるだけ多く浴びせることに徹し、ほとんど特別な細工を施しません。自然のままの日光で育った果実は栄養も豊富で、特にビタミンEの含有量がずば抜けています。また血行を良くする働きのあるナイアシン、コレステロールを抑制するペクチンの効果が近年注目を集めています。

福島の桃がおいしい理由に迫る

福島県、中でも福島市や伊達市がある一部の地域がどうしてこれほどまでに桃の産地として名を馳せるに至ったのでしょう。桃の産地は全国的に見ると限られており、その少ない山地で日本の桃のほとんどを生産しているのです。そうした背景を見るに、桃の生産に適した条件はある程度限られていることがわかります。

桃の名産地である福島市周辺地域は福島盆地の中にあるのですが、そのおかげで夏場は熱気が停滞し、この地域は非常な猛暑が長期間にわたって続きます。人間にとっては厳しい環境といえますが、この環境こそ甘みの強い桃の生育には必要不可欠なのです。この厳しい暑さによって桃の糖度は跳ね上がり、一気に成熟します。成熟したらただちに収穫され、全国へ向けて発送されるため、桃の旬はだいたい8月の上旬から9月にかけてとなります。

『ゆうぞら』という品種は基本的に7月の中旬から8月いっぱいを旬とする桃の中では晩成種と呼ばれる旬の時期が遅い桃で、だいたい9月の頭から出荷が始まります。この桃の特徴はその上品な外観と肉質の緻密さにあります。身は硬めでしっかりとした歯ごたえがあり、非常に日持ちします。自宅に置いて日数を重ねるにつれて柔らかくなりますので、好みに応じて硬さを調整することもできるでしょう。ただしこの桃の甘みは硬い状態でも十分に発揮され、その点がこの桃のすぐれたるところでもあります。歯ごたえのしっかりとした甘い桃を好む方にお勧めの桃です。またこの桃は実が美しい白色で、種の周囲だけが鮮やかな赤に染まっています。切り身の断面はどこか梅干しのおにぎりを連想させてくれます。

伝統ある福島の桃農園が力説するこだわりとは

福島市の西側をおよそ14kmにわたって走る県道5号線は、別名「フルーツライン」と呼ばれています。道の両脇に延々と広がる果樹園の景観にちなんだ呼称であり、この風景こそ、福島の果物栽培がいかに繁栄を極めているかを物語る最たる証拠でしょう。その一帯では四季折々に応じて果物狩りが楽しめるため、観光に人気のスポットとなっています。林檎に梨、ぶどう、サクランボと、いずれも人気の高い果物の産地となっている福島のフルーツラインですが、古来そんな多くの美味な果物の王様とさえ称されてきた桃の存在感はやはり福島県内でも格別です。福島市周辺では春にはまさに桃色の桃の花が一斉に開花しますが、その絢爛な景観たるや、満開の桜並木を凌駕するほどの迫力があります。桜の花の美しさは誰もが知っているところでしょうが、劣らず美しい桃の花を見分けられる人は少ないに違いありません。加えて、桃の花の芳香は、すでにその頃からかすかに桃の果実の香りの予兆をはらんでいます。街いっぱいに広がる桃の香を楽しみたいというのであれば、4月の上旬に福島市を訪れることをおすすめします。

福島の桃農家は50年以上の歴史を持つところも多く、元々外来種である桃の本格的な生産史が浅い日本の桃農家としては、最も長い歴史を刻む土地の一つと言えます。そんな福島の桃農家では、桃の栽培に際しては桃との対話が大切だと語られます。どういうことかというと、毎日頻繁に桃の果樹一本一本の体調を見極め、今どんな栄養を必要としているのか、日光の加減は程よいかなど、入念に調べて適切な処置を行います。しかし最初のうちは、むしろ栄養を抑え、やや桃の木が飢えた状態に置くといいます。その後一気に栄養を与えることで木全体が栄養をごくごくと飲み込み、効果的な生育が見込まれるそうです。桃の栽培は冬場の枝の選定から始まっていると彼らは語ります。枝ぶりを整えることで日光が木の全体にまんべんなく降り注ぐ環境を整え、春からの桃の栽培に挑むのです。丹念な下準備と、つきっきりの世話、そして果実が多くの日光を浴びることを何よりも重んじて、福島の桃農家は今日も桃の栽培に励みます。

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