素朴な郷土食材からB級グルメまで、茨城県を食べ歩く

素朴な郷土食材からB級グルメまで、茨城県を食べ歩く

素朴な食材に見る茨城の郷土

茨城県水戸市の「水戸納豆」はアツアツの白米と抜群のコンビネーションを誇る日本ならではの食文化を力強く支えています。小粒の大豆を使用して作られる味わい深い「水戸納豆」は今では全国のスーパーマーケットで見られるほど有名です。その歴史は非常に古く、900年さかのぼると言われています。馬の飼料であった煮豆の残りからできたことが始まりともいわれる納豆は、その独特の外観、芳香、味、そして何より豆が発酵したものであるという形成過程から、外国人にはこれを食すことなど考えられないと大不評をこうむる食材の代表格です。日本発祥の、なおかつ独特の食文化として世界中に名を轟かせる納豆ですが、「水戸納豆」とその発酵技術は、その食文化の土台形成に大きく寄与したと言えるでしょう。

水戸地方では古くから自家製の納豆を食べる習慣があり、その技術を生かして納豆を職業的に作る人々が現れ、今では水戸市には納豆を専門に作る企業、工場が数多くあります。その中でも「水戸納豆」土台を作ったと言われる企業が「天狗納豆」です。水戸市三の丸に本社を構えるこの会社は明治22年に開業して以来こんにちまで日本全国の食卓に並ぶ納豆の多くを世に送り出しました。スーパーマーケットでよく見られるパッケージ化された納豆は安価で買い求めやすいものですが、茨城に訪れた際は一度「天狗納豆」の「わら納豆」を試してみることをおすすめします。本来納豆は大豆を稲わらで包むことで作られるものであり、その昔ながらの製法にちなんだパッケージを採用したものが「わら納豆」として販売されています。わらの香りが程よく染みて、絶妙な風味が味わえると評判の逸品です。

茨城の素朴な食材其の二、干し芋

「干し芋」というものを食べたことがある人が現代にどれだけいるでしょうか。若者の中にはもう聞いたこともないという人が少なくないように見受けられますが、この飾り気のない素朴を地で行く味わいは、過去にはもちろん、この先未来にも、おそらく完全に需要が消えることはないでしょう。茨城県の特産品として知られるこの「干し芋」は、おおざっぱに言えば干したサツマイモであり、広義の「干し芋」であれば間違いなく有史以来食されてきた最も古い加工食品の一つでしょう。しかし茨城の地で長年作られてきた干し芋には、多くの知恵と技術が注ぎ込まれたからこそ完成する味わいがあります。

茨城県は「干し芋」の生産日本一であり、全国の干し芋の9割が茨城県で作られたものです。またサツマイモの生産量も2位となっており、干し芋づくりに注ぐ情熱の度合いがうかがえます。茨城観光に際しての土産物に強くおすすめするこの「干し芋」ですが、今の形の干し芋の起源は江戸時代に端を発すると言われています。保存食として軍隊に重宝されたことから徐々に全国へと知れ渡り、その知名度を確立していきました。確かにサツマイモは豊富な栄養とカロリーで素早く体力に還元される優秀な食材です。乾燥させることでその栄養は濃縮され、体積は数分の一まで減らせます。激しく体を動かす軍隊にはこの上ない野戦食となったことでしょう。茨城の地は水はけがよく、古くからおいしいサツマイモの生産に適していました。茨城県では、干し芋のためだけに研究に研究を重ねて作り上げられた何種類ものサツマイモが栽培されています。日持ちもするため、土産物や贈答品に非常に適した選択です。

A級の想像力により生み出されたB級グルメたち

日本で初めてラーメンを食した人物は水戸黄門として知られる水戸藩2代目藩主徳川国光だと言われています。その真偽のほどは定かではありませんが、水戸市はかねてよりラーメン店が非常に多く、ラーメンづくりへの情熱がひときわ強い地域でした。そんな水戸市発祥のB級グルメ、「スタミナラーメン」をご紹介します。このラーメンの特徴は、醤油ベースの甘辛いあんと、通常のラーメンの倍はありそうな太麺です。スープはなく、ラーメンというよりは焼きそばのような外見で、初めて注文したお客さんをいつも戸惑わせています。しかしB級グルメという言葉が流行りだすずっと前からこのスタミナラーメンは水戸市民に愛されてきており、彼らの前でこのスタミナラーメンをB級グルメと呼ぶのは避けたほうが無難でしょう。面の上にはあんのほかにレバーやカボチャ、キャベツ、ニンジンといった多数の食材がトッピングされており、まさにその名のとおりスタミナの付きそうな風貌をしています。

B級グルメというからには色物中の色物をご紹介します。その名も「メロンカレー」です。茨城県内のとあるお店で食べることのできるこのメニューは名前のインパクトも凄まじいですが、その外観にも驚かされます。ライスはターメリックが加えられ黄色く、ぱらっと炒められたバターライスです。そしてルーはメロンの緑色です。茨城県産のメロンがペースト状になっており、さらに具材として大きな角切りのメロンがこれでもかというほど投入されています。B級グルメの名に恥じぬつわものですが、話題性のためだけに食すのは失礼なほどの珍味です。お試しあれ。

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